事故や病気で足を失い、はじめて義足を付ける方にとっては、
- 今までと同じ生活に戻れるのか?
- 退院後、どんなことが待ち受けているのだろうか?
- リハビリはどのぐらいかかるのか・どんなことをやるのか?
- 義足とはどんな物なのか?
- 重いのか?軽いのか?扱うのは難しいのか・難しくないか?
このようにわからないことがたくさんあると思います。
切断手術から退院までのスケジュールは、切断した箇所・痛み・体の状態などにより2ヵ月~6ヶ月と人それぞれです。
本コラムでは、切断手術前~義足を付けて退院した後までのスケジュールを2回に分けてご紹介します。
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①【はじめての義足】スケジュールや手術時の流れは?【1/2】(本記事)
②【はじめての義足】手術後や退院後の生活は?【2/2】
目次
1. 義足をつけるスケジュールは? 入院から退院まで
疾患や外傷によって切断し、義足を製作するケースを見てみましょう。
この場合、事故・緊急手術の後に、
- 傷や全身状態の治療に1~2ヶ月
- 専門病院でのリハビリに2~5ヶ月
程度かかります。
※あくまで一例であり、上記ケースとご自身のスケジュールが異なることもあります。
※実際には、切断の原因、年代、傷の状態、リハビリの進行などにより、期間が変わる事があります。
実際のステップを「切断前~切断~切断後」に分けて、細かく見ていきましょう。
2. 手術前:義足の生活に備える
末梢循環障害や糖尿病などといった疾病により、あらかじめ切断の手術を行う事が分かっているという場合は、事故による緊急手術のケースとは異なり、切断前に猶予があります。
その場合は、義足での生活に備えて準備をすると良いでしょう。
たとえば、残される足の筋力トレーニングやすでに義足をつけている先輩ユーザーとの交流はおすすめです。
【準備1】残される足の筋力トレーニング
切断術前、「身体の状態が万全」という方は多くはないでしょう。
主治医の指示に従い、身体に無理のない範囲での運動にとどめておきましょう。
病院の理学療法士等にメニューをもらうとより安全です。
【準備2】義足ユーザーの仲間を見つける
すでに義足をつけて生活している先輩ユーザーと交流することができれば、辛さや実際の生活の困難を乗り越える上で、大きな助けになります。
義足ユーザーの団体は、例えばこういったものがあります。
■義足ユーザーの団体例
3. 切断手術
実際に入院し、切断手術を行います。
手術前の説明はしっかりとメモを取っておくのがおすすめです。
入院:検査と説明
入院して、切断手術に向けて準備をしていきます。
入院すると、まずは原因となる疾患に応じた検査(血液検査、X線、CT、MRIなど)を受けます。
検査後、医師から手術と術後について説明があります。気になったことは納得するまで聞きましょう。
実際には「茫然としてしまって説明を覚えていない」と言う人もいます。質問したいこととその回答はメモを取ると良いでしょう。
切断手術と義足
たとえば、悪性骨腫瘍の場合は、腫瘍の場所に対してこのように切断手術が行われることが一般的です。
切断した箇所によって、今後着ける義足の種類とリハビリの内容が変わります。
義肢適合技術・材料とリハビリテーションの進歩により、最近ではできるかぎり足を長く残す方法が検討されることが多いようです。
ただし、足が長すぎてパーツが入らないこともあるので、医師によって手術方針が異なることがあります。
大きく分けると、膝より下の切断ならば下腿義足(かたいぎそく)、太ももの切断ならば大腿義足(だいたいぎそく)、骨盤や股部分での切断ならば股義足(こぎそく)となります。
義足の種類については、下の記事に詳しくまとめています。
引用:澤村誠志(2016)『切断と義肢 第二版』p17,医歯薬出版.
~第二回(【はじめての義足】手術後や退院後の生活は?【2/2】)に続く~
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